会長メッセージ

 これから3年間、会長を務めさせていただきます。会員の皆様、よろしくお願いいたします。私が本会の前身である「日本味と匂のシンポジウム」で発表させていただいたのは、1979年に岐阜で開催されたシンポジウムでした。以来、味と匂いに関する様々な研究を勉強させていただきました。日本味と匂学会誌の鈴木教世元編集委員長の下で副編集長としての3年間、続けて編集委員長としての6年間は、論文集号を含め味と匂学会誌に掲載されたすべての原稿を読ませていただき、会員の皆様が幅広い分野の研究をされていることを目の当たりにしました。運営委員会には、12年間にわたり出席させていただき、本会の運営を学んで来ました。2018年度は、本学会の創立50周年を迎えます。そこで、私の役目は半世紀かけて発展してきた本学会を次の50年の発展につなげる橋渡しをすることと考えています。本学会に所属する会員数は、「味と匂のシンポジウム」を「日本味と匂学会」と組織を整えてから順調に増加し、800人前後で推移していました。しかしながら、この2-3年は会員数の減少の兆しが見えています。そこで、会員数の減少をくいとめ、増加に転じるように工夫をして、次の世代が本会をさらに発展させることができるようにしたいと考えます。
 本会は生理学的な研究を中心とした「日本味と匂のシンポジウム」が母体ですが、現在の学会での発表は生理学にとどまらず、解剖学、心理学、食品科学、耳鼻咽喉科学などここですべての分野を列記することが大変なくらいに幅広い分野にわたっています。また、会員も大学や研究所だけではなく様々な組織に所属する研究者や個人から構成されています。この多様性こそが、本会の特徴であり、存在意義と考えます。会員の皆様が、本会に所属する意義を感じることができるような、さらに、大会で発表したいと思うような学会であり続けるように運営を心がけます。手始めに、仙台の大会で駒井三千夫大会長がはじめて清水の大会で庄司隆行大会長が引き継いでいる大会で優秀な発表を行った研究者を表彰することを学会として制度化することを始めたいと考えます。学会から顕彰されるとキャリアアップするときに履歴書の賞罰の欄に記載することができ、大学などで毎年行われる業績評価を高める貢献をします。また、本会での正会員歴10年以上、大会参加回数5回以上、大会における実際の演者あるいは責任著者としての発表3回以上のいずれかに該当すると評議員の資格を得ることができます。評議員となると、会費はそのままに履歴書に記載する役職を得ることになるとともに、会長選挙の際に選挙権をもつなど、学会運営により密接に関わることになります。評議員ではない会員の方は、ご自分の会員歴などを確認の上、事務局に申請してください。また、研究グループを運営されている先生も、若手の会員に積極的に評議員の申請を行うようにご助言ください。本会に所属する会員の数や大会での発表数が多ければ多いほど、それぞれの分野での研究情報の交換が豊富にできます。そこで、会員の皆様には、非会員の方に本会に参加していただくように呼びかけるようお願いいたします。また、本会や大会に対するご意見やご希望をお持ちでしたら、事務局(jasts@asahikawa-med.ac.jp)までお送りください。
 近頃は論文を探していると、日本人と外国人との共著論文が減っている印象を受けます。日本でのポスドクのポストが増えて、アメリカやヨーロッパにいかなくとも博士号を取得した研究者が研究を続けられる環境があることが一つの要因と考えられます。しかし、海外留学は、研究のみならず様々な面での成長を促します。とはいえ、海外に留学しようと思っても、見ず知らずの研究者がポスドクとして採用して欲しいとメールを送ってもなかなか採用されません。来年に横浜で開催される17th International Symposium on Olfaction and Taste (ISOT 2016)は、海外の研究者の発表を生で聞くことができるだけでなく、海外の研究者と直接話をして自分を知ってもらう絶好の機会です。多くの若手の会員が、参加されることをおすすめします。また、若手に限らず、国際学会は学問的な刺激を与えてくれますし、シンポジウムでまとまった最新の話を聞くことは大変勉強になります。会員の皆様はもとより、非会員で味と匂いに関する研究をしている方や興味を持っている方に参加を呼びかけていただき、横浜で開催されるISOTを成功させましょう。

日本味と匂学会長 柏柳 誠

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